蓮布に描いた更紗
日本では藕絲(ぐうし)と呼ばれ、現在もビルマ北部で作られる、蓮の糸の繊維で織った布に、
ジャワ更紗の産地チレボンとジョグジャカルタで、ろうけつ染めで染め付けてもらいました。
数千もの蓮を採取し、茎の部分を糸にして紡ぐ工程は、とても手間のかかる作業でしょう。
こうした工程を経て、ようやく機に掛けられ織りあがります。
ようやく手元に届いた蓮の布を眺めながら、ろうけつ染で模様を描いてみては?と思い立っ
てから、さらにインドネシアの工房に持ち込み、これが出来上がるまでに2年あまりを経て
出来上がりました。
写真・手前 西ジャワ州 チレボンの「スタジオパチェ」で染めていただきました。
主宰者の賀集さんには、蓮布の特徴をよく理解していただき、
最大限に活かしていただきました。
写真・中 ジョグジャカルタでお付き合いがある工房にオーダーしてみました。
中部ジャワの伝統模様「カウン」が描かれています。
写真・上 素のままの蓮の布です。夏場の着物の帯に仕立てても、味わいがあり素敵です。
● そのまま壁に掛けるだけで素敵な布です。また、創作でのお洋服をはじめ、
きものの帯や、きものまわりの小物、表装などにも適していると思います。