古いきものを解いてみました。
大正~昭和初期の宮古上布ではないかと聞いていました。
「上布ではないかも知れない」という意見もあり、すっかり自信をなくしていましたが、
きものを解いていくと『宮古上布』の文字が出てきました。
埋もれていた遺跡発見をしたかのような喜び!!(オーバーですね)
国指定重要無形文化財の宮古上布を織る技術は、芋麻を収穫し、糸を紡ぐことから始まります。
7~8年前に、宮古島を訪れた際に、その工程を見せていただいたことがあります。
糸を紡ぎ、デザインを起こし、糸を染め、織り機に糸を掛けて織り、さらに砧打ちをする
・・・気の遠くなる作業に、どれだけの人が携わり、歳月を費やすのでしょう。
「つむぐ」という言葉の奥深い意味を、あらためて考えさせられました。
最後に砧打ちをすることで、つややかな仕上がりになるのが、宮古上布の特徴のようです。
記念に一反買って帰ろうかと思いましたが、産地でさえも100~150万円。
・・・もう少し、大人(!?)になってから購入しようと思っています。
古きものを解きながら、宮古上布でなければ、袋にでもしようかなと考えていましたが、
今では、洗い張りに出して、状態の良い部分を活かして、何か作ろうと思っています。
(袋はその余り布ででも・・・)
手洗いすると、色が落ちます。
その時、藍の香りが立ち込めました。「80年以上前の藍が今、ここで香っている」と感激でした。
色止め(薬品処理)をして、すこしでも長く色つやを保つ方が良いのでしょうか?
芋麻の藍染めの色止めをした経験がないので、どう変化するのかも心配です。
もしくは、手を加えずに、そのままを楽しむ。
この布の行方は、成り行きに任せたほうがよいのでしょうか?
本人(!?)がしゃべってくれるなら、意見を聞いてみたいと思うところです。
・・・洗い張りに出す前に、どうしようか迷っています。