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更紗とアジアの良布

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ニティック

布の話
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 ニティックとは、インドネシア語で「擬似文様」のことです。


前回ご紹介したインドの「パトラ」への憧れを、バティック(ジャワ更紗)の産地であるジャワ島なら

ではの「ろうけつ染」で描いています。舶来の織物(カインチンデ)の模様を、真似て染めているので、

ニティックとか、カインチンデと呼ばれています。



インドネシアで、現在も王宮の残る中部ジャワ。王族が身につけるニティックの模様は、

インドのパトラにもよく似て、とても華やかなものです。

写真でご紹介しているニティックは、今でも広く庶民に愛され続けている模様です。


バティック(ジャワ更紗)だけではなく、インドでも、カラムカリ(インド更紗)に、

パトラの織り模様の更紗を見ることが出来ます。日本にも多く輸入されていたようで、

古渡り更紗のひとつとして残されています。


これらの更紗のモチーフは、日本に渡り、のちに小紋にも変化したのではないかと

言われています。そういう経緯もあるためか、飽きのこない模様や色合いに、

「親しみを感じる」との声をよく耳にします。


パトラに指定される模様には、ジグザクを模様にした聖水文様もあります。

経緯絣で織られた聖水文様のパトラを、一度だけ見たことがあります。モダンな美しい布でした。

写真右は、バティックに取り入れた、聖水文様のひとつではないかと思われます。


 パトラへの憧れは、当時の流行も垣間見る気がします。

写真左は、かなり古いもので、縁取りまで手を抜かず、丁寧に模様が描かれています。

urma(うるま)2003年3月号にも掲載されている布です。

中央は、最近の新しいものです。古いものに比べて、染料が鮮やかですね。


 バティック ジャワ島 中部ジャワ 写真右・左=腰衣用、写真中央=頭巾用 

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