生命樹-2/カシミール・絹絨毯
残暑の続くこの頃です。みなさま、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
久しぶりのブログアップです。メインで使っているPCがショートしたことに始まり、
PC周辺機器も不調という日々が続いておりました。
時を同じくして、プライベートでも忙しくなり、今日に至った次第です。
写真データーがすべて失われてしまいました。
旅、家族、友人、布の写真を失ったのは、とても悲しいことです。
今回は、補助につかっていたノート型のPCに残っている画像から話題を探しました。
ご紹介する画像は、インド北部のカシミール地方のシルクカーペット(絹絨毯)に
描かれる「生命樹」の構図です。
百花繚乱の花が美しい、数多くある樹木模様のひとつです。
写真の絨毯は、左右対称です。大地から根付くそびえる幹も描かれています。
現在よく見かける絨毯は、縦横の中心からに4つにわけると左右対称で、
右上部分と、左下となる部分が同じ模様をしていると思います。幹の部分は描かれていません。
左右2つのデザインを組み合わせて、一枚の絨毯の模様が出来上がるわけです。
いつからか、樹木模様が発展し、百花繚乱の花々をより美しく描くために、幹の部分が排除されたのか、
簡略化して描かれるようになったのかは、定かではありません。
今でも、ペルシャ絨毯や、中央アジアのキリムでは、樹木模様は現地の人々に好まれ、
作られています。最近では、ビジネスの成功の祈りを込めて、息子に贈ることが多いようです。
それも、不老長寿、豊穣祈願の祈りから、より現代的な祈りに変っていったのでしょうか。
カシミールの絨毯の歴史は、ペルシャ絨毯に由来します。
製作工程も、ペルシャ絨毯から受け継いだ、昔ながらの手法が忠実に守られています。
暑い国インドの中でも、北部に位置するカシミール地方は、
冬場には雪が降り、春には桜が咲き、四季があるといいます。
こういう気候風土からでしょうか、柔らかな色使いであるのも、この地域の特徴かもしれません。