キモノまわり・1/蓮布
昨今のきものブームは、樋口可南子さんの影響も大きいのではないでしょうか。
写真は、ビルマの蓮布の上に、婦人月刊誌メイプルの「樋口可南子のきものまわり」
2001年9月号に掲載されたページを開いています。
この企画の清野恵理子さんの力もさることながら、樋口さんの着こなしの美しさに、
私も美しく着物を着たい!と思わずにはいられませんでした。
この号では、麻布十番にあった「うちだ」で購入した着物が紹介されています。
お召し物は、藍地の琉球絣。
帯には、内田さんにお譲りした、蓮布が帯に仕立てられ、お召しいただいております。
「うちだ」の内田みちこさんの蒐集品を展示した「十六夜キモノ展」では、
大正、昭和初期の 古き良きキモノの数々を見せていただきました。
麻布十番にあるビルの1Fにあった「うちだ」は、華胥の夢で見たような空間でした。
土間の床。数百年前のものというスペイン製の大きな木製ベンチ。
時には錆びたベットスプリングをディスプレイしていたり、
縄文か弥生の土器にツバキを活けていたり...
わび、さび、しぶみを最大限に演出されていたのではないでしょうか。
私には刺激の大きなお店でした。
内田さんご夫妻の良きモノに対する思いにも学ぶことが多くありました。
六本木ヒルズができ、麻布十番がにぎやかになったことを機に、お店を移転されたところが、
内田さんらしく思いました。最近、「うちだ」によく似たお店が増えているところを見ると、
うちださんの影響は大きかったのではないかと思いながら、ウィンドーを眺めています。
蓮布は、別名「藕絲」(ぐうし)と言われ、奈良の当麻寺には残されていると聞きます。
私が紹介する蓮布は、現在もビルマのインレー湖の近くで作られているものです。
ビルマでは、僧侶の袈裟に使われているようです。仏教国らしいですね。
何千本もの蓮の茎を繊維にし、糸に撚るだけで、大変な手間を要するものです。
こうして出来た糸を織り上げる。
気の遠くなるような作業を経て織り上げられています。
この布の、自然な色とその風合いに、すっかり魅了されております。
この蓮布に更紗(ろうけつ染め)を描いてみました。是非コチラもご覧下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/rmkn980302/31837.html?p=1&pm=l
---メイプルの「樋口可南子のきものまわり」の連載が話題になり、単行本化されています。
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http://www.amazon.co.jp/%E6%A8%8B%E5%8F%A3%E5%8F%AF%E5%8D%97%E5%AD%90%E3%81%AE%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%82%8A-%E6%B8%85%E9%87%8E-%E6%81%B5%E9%87%8C%E5%AD%90/dp/4083330244/sr=11-1/qid=1165557332/ref=sr_11_1/249-0169495-3873976