FC2ブログ

更紗とアジアの良布

ARTICLE PAGE

生命樹・2008 vol.2

コレクション
  • comment11
  • trackback0


10年ほど前に購入した、スマトラ島の南部ランプン地域に伝わる布「TAMPAN」は、

日本では霊船布として知られています。


太めの綿糸で、浮織りの技法で織られ、やや厚めに仕上がっています。

この文様にはいろいろな説がありますが、魔よけ、縁起物として、結婚式などのさまざまな祭礼の際に、

飾りに用いられるのが一般的なようです。


ランプンはインド洋に面し、マラッカ海峡に近いため、かつて交易で栄えていた時代がありました。

この布には、船上にそびえる樹木、その周りに多くの人々、獣、鳥などが描かれています。

船によって、多くのものが運び込まれ、地域を豊かにしたのでしょう。


この船布は、最近は見かけなくなったものの、わりと近年に作られており、特別に珍しいものでも、

技術的に優れたものでもありません。生命樹の構図のひとつではありますが、航海技術も満足ではない頃に、

海が道になっていたことを、思いめぐらせるのに楽しい1枚です。


日本にも、ペルシャの織物やインド更紗に由来するといわれる樹木文様が、正倉院に数多く遺されています。

樹木文様は、豊穣を表すものとして「生命の木」「生命樹」と言われ、現代の染織(特に呉服)にも、

数多く見ることができます。


文様のいわれやルーツは、歴史的な背景からもさまざまな意見があり、何が正しいのか判断しにくい

ところです。14世紀に書かれたポルトガル人トメ・ピレスの「スマ・オリエンタル」(東方諸国記)

によると、中継貿易港として栄えていたマラッカを訪れた際のことが、詳しく記されています。

読んでいると、海の道は日本にも続いていたと思われる部分がいくつもあり、

興味深い内容が記載されています。・・・詳しくは、またそのうち。


■Copyright (C) 2000-2008 RUMIKO KOGA All rights reserved■

Comments 11

asamicoasamico  
No title

なんか、ひきつけられる柄ですね!ひとつひとつとってみても愛嬌があるというかカワイイ☆☆☆です。

2008/01/30 (Wed) 18:58 | EDIT | REPLY |   
Collection Saya  
No title

asamicoasamico様、そう言われて見ると、ひとつひとつが可愛く見えますネ。

2008/01/30 (Wed) 20:59 | EDIT | REPLY |   
しおん  
No title

色合いがいいですね!
栄えていく感じが伝わってきます(^_^)<しおん>

2008/01/30 (Wed) 23:58 | EDIT | REPLY |   
針刺し家  
No title

海の国の布ですね よくみると にぎやかで楽しそうですね

2008/02/05 (Tue) 08:59 | EDIT | REPLY |   
chocoholic  
No title

素敵な模様です~^^
私はバリでsayaさんが紹介しているようなのを探してみたけど、もっと安いような・・・プリントのような柄ばかりでした~(^^;
一応、母にバティック(多分嘘ではないと思う・・)の腰巻?を買って帰りました^^

2008/02/07 (Thu) 08:21 | EDIT | REPLY |   
nip*on*m  
No title

面白い柄ですね~~ 霊船布って呼ぶんですか~?
謂れはなんなんでしょう。

2008/02/08 (Fri) 07:56 | EDIT | REPLY |   
Collection Saya  
No title

しおん様、そうですね。なんとなく栄えていた頃の雰囲気が伝わる一枚だと思います。

2008/02/10 (Sun) 23:07 | EDIT | REPLY |   
Collection Saya  
No title

choco様、バリはいかがでしたか?バリは観光地なので物はたくさんあると思います。バティックをいろいろと楽しまれてください。

2008/02/10 (Sun) 23:10 | EDIT | REPLY |   
Collection Saya  
No title

nipponjm様、霊船布と呼ばれるのは、この布は、少し前の日本では、ランプン地域で交霊の際の儀式に利用したという部分だけがクローズアップされていた頃がありました。それに由来しているのだと思います。

2008/02/10 (Sun) 23:14 | EDIT | REPLY |   
kimono_koubou_2  
No title

まるで、ノアの箱舟の断面図のように見えます。
人や動物が沢山乗っている船。
この布は、織でしょうか、染めでしょうか?
いずれにしても、大変な手作業の物ですね。
人の手のかかったものの美しさは、時を越え、時代を超え、民族を超え、すべてを超越して、魅力を感じさせますね。
布を手に仕事をする私には、co-sayaさんのお気持ちがよ~く伝わります。

2008/02/12 (Tue) 13:03 | EDIT | REPLY |   
Collection Saya  
No title

ノアの箱舟の話は詳しくありませんが、どのようなお話なのか、イメージが膨らみます。

2008/04/07 (Mon) 13:22 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply